著者貢献と著者資格-論文に実際にどう書くか?

論文の著者について、最近はうるさく言われるようになりました。昔はズラーっと医局の医師の名前が共著者に乗っていたりしたものですが、最近はその研究そのものにきちんと貢献していない研究者を共著者にすることは「ギフトオーサー」として問題視され、例えば「教授として研究室を主催しているから、という条件だけで共著者にするのはだめ!」などと言われます。 また、実際に共著者が著者の条件を満たしているか、著者貢献を投稿時にカバーレターなどで記載するよう求めていたり、実際に論文に記載することを求めている雑誌もあったりします。 では、著者の条件(Authorship: 著者資格、Author Contributions: 著者貢献)とは一体なんでしょう。現時点(2019年5月)で国際的な論文雑誌で広く用いられているのが、ICMJEの推奨です。 ICMJE | Recommendations | Defining the Role of Authors and ContributorsAuthorship confers credit and has important academic, social, and financial implications. Authorship also implies responsibility and accountability for published work. The following recommendations are in…

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MendeleyでWord上に引用文献を追加しようとするとエラーが出るアップデート直後のバグ

Mendeleyをアップデートした直後にWordで引用文献を挿入しようとしたところ、何度やっても以下のエラーメッセージが表示され、引用文献の挿入ができなかったので、解決法について(2019年2月22日時点)。 Citation/Bibliography is wrongly placed in index area, please delete the placed citation/bibliography in index area. ひとまず論文を書き上げて、共著者に内容チェックをしてもらったところ、一部に引用文献を追加するよう指摘をいただき、それを追加しようと思っていたところなのですが、当然それまで普通にMendeleyで引用文献を挿入できていたそのWordファイルが、突然上記エラーを出して挿入できなくなったのです。 先日Mendeleyのアップデートをしていたので、旧バージョンとの整合性がうまく取れていないせいでこのバグが起こっているようです。 よく見ると、このエラーメッセージが起きると、Wordファイルが自動的に決まって同じところを表示します。ハイライトもポインタも表示されないのでわかりにくいですが、エラー個所を表示してくれているようです。十字キーを押すとエラーを起こしている引用文献挿入個所がわかるので、それでエラー個所を特定し、一度その部分の引用を削除し、再挿入すると、このエラーが出なくなります。 このエラーを起こしている…

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エラーバー付き棒グラフをエクセルで作る@Excel for Mac Version 16

以前、エラーバー付き棒グラフをエクセルで作るという記事を書いたところ、意外と需要があったようです。 エラーバー付き棒グラフをエクセルで作る統計解析結果のグラフでは、平均値に標準偏差を一緒に表したエラーバー付きの棒グラフが用いられることが頻繁にあります。そんなエラーバーをエクセルで作ったグラフに表示する方法をまとめます。 目標はこんなグラフを作ることです。 しかし、Excel for Macのバージョンが変わり、やり方が若干変わったので、新しいバージョンに合わせた作り方を紹介したいと思います。 今回は前回からさらにバージョンアップし、エラーバーの上値と下値が違う場合の作り方を紹介したいと思います。目標は、左のテーブルから右のグラフを作ることです。 目次 エラーバー付き棒グラフを作る せっかくなので論文で使えるような書式にする スポンサーリンク エラーバー付き棒グラフを作る まず、データとして、グラフの値と、エラーバーの上端下端を決める「正の誤差範囲」と「負の誤差範囲」を3行に並べたテーブルを作りましょう。グラフの値からの「誤差範囲」なので、値とエラーバーの上端下端との差で表現します。 ラベルの行と値の行を選択し、「挿入」タブの棒グラフをクリックします。(グラフのタイトルはブログ用に「エラーバー付き棒グラフ」としておきました。) できたグラフをクリックすると…

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Excelのピボットテーブルを使ってデータ集計する

Abstract Excelでピボットテーブルという便利な機能があります。それを使ってデータ集計する方法を実例を使ってまとめました。ついでにPubMedのデータからExcelの区切り位置ウィザードを使って、各論文の掲載雑誌を抽出する方法も。 前回(精神科症例報告を載せる英文雑誌)、pubmedでダウンロードしたcsvファイルから、”delusional disorder”で引っかかるここ10年のCase Reportsがどの雑誌で何本出版されているかを集計しましたが、この集計はエクセルを使うとそれなりに簡単にできます。その手順を簡単にまとめ。 なお、使っているのはMicrosoft(R) Excel for Mac バージョン16.16.1です、バージョンによって少しずつ各機能のボタンの場所が変わっているので、面倒ですが、基本のやり方は他のバージョンでも同じです。 目次 エクセルの「区切り位置」ウィザードで雑誌名を抽出 エクセルの「ピボットテーブル」で集計 関連記事 スポンサーリンク エクセルの「区切り位置」ウィザードで雑誌名を抽出 まず、前回検索結果に対して”Send to”→”File”→”CSV”で作成したCSVファイルを見て見ます。最初の数行はこんな感じ。 この中で雑誌名を抽出するのに向いているのが、E列の”ShortDetails”になります。この…

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精神科の症例報告を掲載する英文ジャーナル-妄想性障害の場合

Abstract 精神疾患の1つ・妄想性障害の症例報告を出版した英文ジャーナルを、2018年9月時点での過去10年間分だけPubMedから拾い上げて集計しました。精神科疾患で英語で症例報告を書こうとされている方、投稿先選びの参考になれば幸いです。 Introduction 最近妄想性障害の症例報告を英語で書いてみようかと思っているのですが、最近どんな雑誌で精神科の症例報告が載っているかよく知りません。 神経疾患については、2015年のものですが、「後期レジデントがつづるノート」というブログで紹介されているのですが、精神科領域の雑誌についてはあまりこのような情報を目にしたことがありません。 そこで今回は、過去10年で妄想性障害に関する症例報告を出版している英文ジャーナルをPubMedで調べてみました。 目次 Results: 過去10年で妄想性障害の症例報告を掲載した英文雑誌一覧 Methods: PubMedでのデータの取り出し方 スポンサーリンク Results:過去10年で妄想性障害の症例報告を掲載した英文雑誌一覧 まずは結果から。PubMedで”delusional disorder”で検索し、過去10年のCase Reportsをピックアップした結果、掲載雑誌と論文数は次の通りです。 上位2つのジャーナルClin neuropharmacolとJ Ne…

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Excelで回帰直線つき散布図を作る

相関解析の結果などを視覚的にわかりやすく提示する際に、散布図だけでなく、回帰直線を添えたいと思うことは多いかと思います。今回はエクセルで回帰直線つき散布図を作る方法です。 目標はこんな図を作ることです。 目次 散布図の作成 軸ラベルの追加 回帰直線の追加 良いプレゼンにはわかりやすい図がある 関連記事・参考文献 スポンサーリンク 散布図の作成 まずは散布図を作りましょう。データは例のごとく、相関解析の例に使っている私のiPhoneによる歩行データです。今回は1か月分のデータを利用します。 1-1.散布図を作りたいデータをマウスでドラッグして選択 1-2.ツールバーの「グラフ」タブから「散布図」をクリック。 1-3.凡例は不要なので削除、グラフタイトルを適宜設定します。 これでひとまず散布図ができましたが、縦軸と横軸が何を表しているかがわかりません。なので次は軸ラベルを挿入します。 軸ラベルの追加 2-1.できたグラフを選択すると、ツールバーに「グラフ レイアウト」が現れるのでクリックし、メニューの「軸ラベル」をクリック。 2-2.横軸ラベル、縦軸ラベルでそれぞれ表示したいラベルを選択し、軸ラベルフィールドを追加。(縦軸ラベルは軸ラベルを回転がオススメ) 2-3.軸ラベルを選択した状態で、数式バーで「=」を入力した後、その軸ラベルに表示したいタイトルが記…

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Index Medicus – 論文雑誌の略称

論文の投稿規定を見ていると、referenceの書式について指定されている際に、「掲載雑誌名は"Index Medicus"に従え」と書かれていることが多いかと思います。このIndex Medicusとは、論文雑誌の略称規則のことです。 例えば、 "ACTA NEUROLOGICA SCANDINAVICA" という雑誌のIndex Medicusによる略称は "Acta Neurol Scand" になります。 基本的にはreferenceはEndNoteや前回紹介したMendeleyを用いて作ると思いますので、これを用いていれば必要な場合は自然とIndex Medicusによる略称に変換してくれているので気にする必要はありません。しかし、何らかの理由でこれらのソフトを用いず、自分で記載する場合には、一つ一つ気にする必要があります。 Index Medicusについては、Index Medicusのサイトで検索することができますので、必要な場合はこちらを利用しましょう。 ちなみに、海外の医学論文雑誌の投稿規定へのリンクを集めた海外医学雑誌投稿情報 投稿規定ネットという日本語サイトもあります。もし、目的の論文雑誌の投稿規定の場所がよくわからない場合は、こちらを参照してみてください。

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reference作成ソフト・Mendeleyは論文管理や閲覧にも便利

論文で最後に乗せるreferenceリストですが、雑誌によって書き方が多少違ったり、一般的にorignal article一本あたり30前後のreferenceがあることを考えると、いちいち自分で作っていては埒があきません。基本的にreferenceリスト生成ツールを用いて行うのがミスもなく便利です。 ポピュラーなのが、 有料のEndNote 無料のMendeley かと思います。私のような貧乏大学院生は当然、無料のMendeleyを用いているわけですが、特に困るどころか、referenceリスト生成以外の機能でもとても重宝しています。 Mendeleyのいいところは、 論文pdf閲覧ソフトとしても十分 論文pdf管理ツールとしても十分 デスクトップ用ソフト、iOS用アプリ、Web上アプリがあり、同期可能 グループで共有可能 referenceリストを作れる だなぁと思っています。 Mendeleyのクイックリファレンスも公開されていて、これだけで十分使うことができます。 スポンサードリンク pdf閲覧ソフトとして 単純にpdf閲覧ソフトとして最低限の機能を備えていると思います。例えば文書にマーカーを引く、コメントを挿入する、などが普通に可能です。 多少、コメントを入れたりした際に、それを含めた印刷結果がかっこつかないと感じますが、そもそも印刷することがほとんどないので気になりません。 …

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その統計解析結果を論文でどう表現する?-論文に書く際のガイドライン

統計解析について、データに対して適切な統計手法を用いることが非常に重要ですが、その結果をいかにして報告するか、というのも非常に重要になります。論文を読む際、よく「p値が有意水準(0.05未満)を満たしているかどうかばかりを見てるだけではダメ」というように言われますが、では何をどのように見るべきか、逆に、何をどのように論文中に報告すればいいかを知ることは重要です。しかしなかなかそれが難しい。 そんな中で、私が論文作成の際に参考にしているのが、この本です。 わかりやすい医学統計の報告-医学論文作成のためのガイドラインposted with ヨメレバ大橋靖雄 中山書店 2011-08-19 AmazonKindle楽天ブックス楽天kobo 単なる統計解析手法の解説書ではない 統計の本といえば、t検定や相関分析などの各解析手法の意味や理論の解説と、それを実際に(特定のソフトを利用するなりして)解析する方法の解説、解析結果の読み取り方の解説がなされます。私も普段SPSSを用いて解析するにあたり、SPSSに関するそのような本を参照しています。 この本は、そもそもの目的がそのような本とは異なります。タイトルの通り、「医学論文を作成する際の、医学統計の表現の仕方のガイド」になっています。 そのことを、第1章の冒頭からまざまざと思い知らされます。例えばこの一文。 標本サイズが100を超える場合はパーセンテージ…

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PubMedを活用する

論文検索にPubMedを活用しているかと思いますが、PubMedを用いたちょっとした小ネタを3つ。 advanced search 年別論文出版数の抽出 検索結果のリストをダウンロード advanced search これはpubmed検索の王道ですが、その名の通り、色々と指定して高度な検索を行う方法です。幾つかやり方はあるようですが、私はあまり慣れていないので、素直に直感的にわかりやすい方法でしています。 まず、PubMedのトップページに行くと、普段キーワードを打ち込んでいる検索枠の真下に、"advanced"というリンクがあるので、そこをクリック。 すると、次の画面では、検索キーワードがどのような属性かを指定できるプルダウンメニューつきの検索枠が出てきます。しかも、 ANDなどの演算子で複数のキーワードを組み合わせた検索も指定できます。 ひとまず、メジャーなキーワードで検索してみましょう。例えば、titleにAlzheimerを含む論文を検索してみます。 すると、当然このように膨大な数のAlzheimer病関連の論文が抽出されます。 年別論文出版数の抽出 学会発表などでたまにintroductionとして、ある疾患が近年どれくらい注目されているかを表現する方法の一つとして、「年々この疾患の論文が増えてきている」というのを棒グラフに表しているプレゼンを目にすることがあります。これはどう作っているのでしょう。実は、出版数の多い疾患の場合、Pu…

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