スキンテア-褥瘡の危険因子に追加

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最近、高齢者の診療をしていて、時々気になるのがスキンテアです。スキンテアは日本語で皮膚裂傷と訳され、摩擦やズレによって皮膚が裂けて生じる、真皮深層までの損傷のことを言います。例えば、四肢がベッド柵でこすれた際に、皮膚が裂けてずれが生じたりすることです。

スキンテアは褥瘡と似ているようですが、異なります。褥瘡はあくまで持続した圧迫によって生じた血流障害による酸素や栄養の供給不足の結果起こる、皮膚や皮下組織の損傷です。スキンテアは高齢による皮膚の乾燥など様々な要因で脆弱になった皮膚が、わずかな摩擦などの外力によってずれて裂けたり剥がれたりする現象です。

脆弱になった皮膚は、ベッド柵の隙間や車椅子のフットレスト、アームレストで擦れたり、移乗などの介助の際に腕を掴む、などの行為でかかる外力によって、スキンテアを起こすことがあり、予防のためにベッドや車椅子、あるいは患者さんの四肢にカバーを装着するなどの外力からの保護、脆弱性を改善するための栄養管理、皮膚の保湿などのスキンケアによって予防、治療を行うことが重要になります。

特に発生しやすい状況は、テープを剥離したとき、転倒したとき、ベッド柵にぶつけたとき、車椅子移動介助時、入浴・清拭などの清潔ケア時など、高齢者医療の現場でよくある場面が挙げられています。

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スキンテアの基礎的な事項は日本創傷・オストミー・失禁管理学会がベストプラクティス スキン-テア(皮膚裂傷)の予防と管理というPDFを公開し、評価や治療、予防についてまとめています。簡単に目が通せ、写真なども多用されていて、とてもわかりやすくなっています。

また、平成30年の診療報酬改定では、スキンテアが褥瘡の危険因子に追加され、その重要性が取り上げられています。

見た目にはそれほど派手さがない小さなスキンテアでも、かなり痛みがあるようですし、適切に対応して、可能な限り予防、発生した場合もすぐに評価して治癒できるよう心がけたいものです。

どちらかというと医師よりも看護師さんや介護職の方が、看護や介助、介護の際にスキンテアに気をつけて対応されていることかと思いますが、医師としてもその心遣いを無にしないように、対応するときには気をつけたいものです。

また、自宅で高齢者の介護をしているご家族など、一般の方にも、スキンテアの予防や発生した場合の対処など、知識として知っていただけたらいいなと思います。

参考文献

ベストプラクティス スキン-テア(皮膚裂傷)の予防と管理
日本創傷・オストミー・失禁管理学会がまとめて公開しているスキンテア対策の資料。
webで無料公開されていますが、出版もされているそうです。さっと読めて、写真も多用されているのでとてもわかりやすいです。 スキンテアについて-一般社団法人 日本創傷・オストミー・失禁管理学会
スキンテアについての各種資料や平成30年度の診療報酬改定で褥瘡の危険因子に追加されたことなどが紹介されています。



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