精神科の症例報告を掲載する英文ジャーナル-妄想性障害の場合

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Abstract
精神疾患の1つ・妄想性障害の症例報告を出版した英文ジャーナルを、2018年9月時点での過去10年間分だけPubMedから拾い上げて集計しました。精神科疾患で英語で症例報告を書こうとされている方、投稿先選びの参考になれば幸いです。

Introduction
最近妄想性障害の症例報告を英語で書いてみようかと思っているのですが、最近どんな雑誌で精神科の症例報告が載っているかよく知りません。

神経疾患については、2015年のものですが、「後期レジデントがつづるノート」というブログで紹介されているのですが、精神科領域の雑誌についてはあまりこのような情報を目にしたことがありません。

そこで今回は、過去10年で妄想性障害に関する症例報告を出版している英文ジャーナルをPubMedで調べてみました。


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Results:過去10年で妄想性障害の症例報告を掲載した英文雑誌一覧

まずは結果から。PubMedで”delusional disorder”で検索し、過去10年のCase Reportsをピックアップした結果、掲載雑誌と論文数は次の通りです。
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上位2つのジャーナルClin neuropharmacolとJ Neuropsychiatry Clin Neurosciは、共にimpact factorが1点台で、case reportも比較的扱っているようです。今回の検索条件で引っかかったClin Neuropharmacolの一番最近の論文は、日本人の症例報告でした。

当該論文が2本ヒットしたArch Sex BehavやJ Clin Psychopharmacolは、impact factorが3を超えています。

BMJ Case Repからも2本今回の条件に当てはまるcase reportがあります。この雑誌はBMJの名前を冠していますが、case reportに特化した雑誌として、現時点ではimpact factorはない雑誌です。

神経系のcase reportでおなじみのneurocaseもこの条件の論文が1本ありますね。

1本だけですが、日本老年精神医学会の学会誌・Psychogeriatricsも今回の条件を満たすcase reportを扱っているようです。

同じく日本精神神経学会の英文雑誌・Psychiatry Clin Neurosciからも、今回の条件を満たすcase reportが1本ありますが、こちらはletter to editorでcase reportを多く扱っています。

Methods: PubMedでのデータの取り出し方

上記の表を作るためのデータをPubMedから取り出す方法をまとめます。

”delusional disorder”で検索し、Article typesを”Case Reports”に限定して、ここ10年以内の論文を検索します。(2018/9/16に検索)

CS_fig2.jpg

すると、57件の論文が出てきました。 そこでいつもの”Send to”→”File”→”CSV”でファイル作成です。

CS_fig3.jpg これでダウンロードされたCSVファイルを、エクセルを使ってどの雑誌で幾つの論文が出版されているかをピボットテーブル機能で集計すると、冒頭の表を作ることができます。


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