級内相関係数と一致係数の使い分け
ある検査の信頼性を評価するには、その検査の結果がどのような数値を取るか、評価者内での再現性と評価者間の信頼性のどちらを評価したいのかで、用いる検定が変わってきます。
検査の結果が取る数値が
- 連続尺度・・・エーベルの級内相関係数:ICC(Ebel's intraclass correlation coefficient)
- 順序尺度・・・ケンドールの一致係数:W(Kendall's coefficient of concordance)
- 名義尺度・・・コーヘンの一致係数:κ(Cohen's coefficient kappa)
さらにICCでは、評価者内信頼性(intra-rater reliability)か評価者間信頼性(inter-rater reliability)かで以下のように使い分けます。
- 1人の評価者が複数回評価した時の評価者内信頼性・・・ICC(1,1)
- 1人の評価者が複数回評価した時の評価平均の信頼性・・・ICC(1,b)bは評価した回数
- 複数の評価者が1回評価した時の評価者間信頼性(変量モデル)・・・ICC(2,1)
- 複数の評価者が1回評価した時の評価平均の信頼性(変量モデル)・・・ICC(2,b)
- 複数の評価者が1回評価した時の評価者間信頼性(母数モデル)・・・ICC(3,1)
- 複数の評価者が1回評価した時の評価平均の信頼性(母数モデル)・・・ICC(3,b)bは評価者の人数
変量モデルは、多くの人間の中のたまたまb人を取り出して評価者間信頼性を評価する場合で、母数モデルは特定のb人の評価者においての評価者間信頼性を評価する場合に用います。
一般に変量モデルの方が、検査そのものの信頼性を、母数モデルの方が評価者の信頼性を、検討する意味合いが強くなります。
参考Webサイト:http://www.snap-tck.com/room04/c01/stat/stat05/stat0504.html
ICCをSPSSで調べる
SPSSでICCを求めるためには、メニューバーから、「分析→信頼性分析」をクリックして現れたウインドウで、各評価者による検査結果を入力した列を「項目」欄に移動させます。
同じウインドウ内の「統計」ボタンを押し、現れたウインドウの下の方の「級内相関係数(T)」をチェックし、その下のモデルとタイプを選びます。
- ICC(1,1)とICC(1,b)・・・モデル:一元配置変量
- ICC(2,1)とICC(2,b)・・・モデル:二元配置変量、タイプ:絶対一致
- ICC(3,1)とICC(3,b)・・・モデル:二元配置混合、タイプ:一致性
これで「ok」をクリックし、検定すれば結果が出ます。
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