figure作成における大きさと解像度

先日、後輩の先生に、論文のfigureは何を使って描いているか聞かれました。その際、投稿規定に指定されている「600dpi」という言葉がよくわからなかったようで、dpiについての話になりました。そのことがきっかけで、私自身も自分のfigure作成法を見直してみました。

今回のテーマは、解像度と画像のサイズの関係と、私がどう設定しているかのまとめです。


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画像の大きさと解像度

画像ファイルを作成する際に、意識していないのが大きさと解像度です。
まず、解像度とは、どれくらい画像が細かく描写されているか、であり、PC上では一般に

「1インチに何ドットの密度で表現するか」
=何dots per inch(dpi)で描画されているか


で規定されています。

dpiの指定自体は、画像ソフトで設定を変更するだけなので、それほど難しくないのですが、先刻の後輩の先生から、「600dpiにしたら画像ファイルの容量が馬鹿でかくなったので、画像を縮小しました」と言われて初めて気付きました。一般的に画像の大きさと解像度について、解像度の方が意識が難しいと思っていたのですが、解像度の概念が曖昧なせいで実は大きさに対する意識が低くなっているのです。

これは自分もそうだったので驚きました。

0002_1.jpg
0002_2.jpg
同じサイズの画像でも、解像度が違えば見え方が違う。


特に、学会発表などで利用するpower point(パワポ)などのソフトでは、画像ファイルをドラッグアンドドロップで拡大縮小することで簡単に編集できますので、プレゼンにあった大きさに容易に合わせることができるため、元画像の大きさに対する意識はますます低くなります。
論文の投稿規定にも、解像度についての指摘はあっても、大きさについての指摘は見かけないように思います。
しかし、元の画像が小さければ、それを拡大すると、どんどん解像度は低くなり、輪郭がカクカクした図になってしまいます。
大きさをきちんと把握して初めて解像度を意識する意義ができてくるのです。

0002_3.jpg
0002_4.jpg
低解像度の画像を拡大すると、アラが目立ってきます。


figure作成は大きさと解像度の設定から

ですので、figureなどの画像ファイルを作成する際には、まずキャンパスの大きさとdpiを指定することから始めます。私は、一般的な英語論文雑誌の場合、A4の紙の上で余白を考えると、横幅17cm、縦幅25cm程度が最大限なので、その大きさで、解像度を投稿規定に合わせたキャンパスを作成します。そしてそのキャンパス上で、誌面に合わせた範囲でfigureを描き、最後にキャンパスの大きさをトリミングする形で作成しています。

figureを描く際は、わかりやすくするために、投稿しようと思っている雑誌の最新の論文を1つ画面に表示、あるいは印刷して横に置きつつ、書いています。こうすることで、雑誌の中でのfigureのオブジェクトやフォントの大きさのバランスを意識しながらfigureを作成できるからです。

ちなみに、figure作成には、mac上でpixel matorというフリーソフトを主に使っています。

pixel mator
フリーソフトにも関わらず色んなことができ、使用感もよく、新規作成すると、最初にキャンパスの大きさと解像度だけを指定するよう求めてくるので、個人的にとてもツボです。

まとめ

Figure作成時のpoint
  1. figure作成の際、まず画像の大きさと解像度を設定。
  2. 実際の原稿のサイズを参照しながら描く。


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