BPSDは病前性格の影響を受ける【ぼっちJC】
Abstract
認知症の人に見られる行動・心理症状(BPSD)は、認知症に伴う脳機能の低下と環境要因によって生じると言われますが、同じ病気、同じような環境でもBPSDの出方には個人差があります。その個人差の要因として、病前性格にスポットを当てた論文です。DLBとADにおける角疾患では非特異的と言えるBPSDが、病前性格と関与している、という結果に見えます。
認知症の人のケアをする上で、行動・心理症状(BPSD)は避けて通れない道です。BPSDは認知症による脳機能の低下と環境要因によって生じると言われ、その対応にはまず非薬物的対応を行い、それでもどうしても解決しない場合、薬物療法を試みる、というのがガイドライン的な対応になります。
教科書的な理想論を言えば周囲がうまく対応すれば予防できる、抑えることができる、というものですが、同じ疾患で同じようなBPSDが出ても、同じ対応ではうまくいかないことは多々あります。そもそも、同じ疾患、同じような環境にいても、同じBPSDが出るわけではありません。
認知症の人がそれまで歩んできた人生が、当然その人のBPSDの出現の仕方にも影響を与えるわけです。その歩んできた人生の一つの指標として、「病前性格」がどのようにBPSDに関わるか、というテーマの論文が、今回のぼっちJCの題材です。
Tabata K, et al. Association of premorbid personality with behavioral and p…