レム睡眠行動異常症(RBD)の認知症診療における重要性-DLB診断基準改訂を受けて

先日、新しいレビー小体型認知症(DLB)の診断基準が発表されたことを書きました。その中で、レム睡眠行動異常症(REM sleep behavior disorder: RBD)が中核的特徴の一つに繰り上がったことを紹介しました。 今回はそんなRBDについて、認知症診療においてどのようなことに注意すべきか紹介します。 目次 RBDとは?:レム期に認めるパラソムニア DLB診断への影響:認知症+RBD=DLB PSGを考慮するためのスクリーニングは? 認知症診療における睡眠障害評価の重要性 関連記事 スポンサードリンク RBDとは?:レム期に認めるパラソムニア RBDは、多くは恐怖などの強い情動を伴うような鮮明な夢と共に、荒々しい行動異常が出現する、レム期に認めるパラソムニアの一種です。通常、レム睡眠中は骨格筋の筋緊張が低下しているため、体の動きはあまりおこらないのが一般的ですが、この筋緊張を抑制する働きが障害されることで、睡眠中に手足を動かしたり、異常な動作を起こしたりする病気です。 これまで、パーキンソン病やレビー小体型認知症などのレビー小体病、多系統萎縮症といった、シヌクレインという物質の異常で生じる病気で合併率が高いことから、睡眠専門医だけでなく、神経内科医や精神科医にも注目されていた疾患です。 以下に診断基準を挙げます。 睡眠関連疾患国際分類第2版(200…

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レビー小体型認知症(DLB)の新診断基準

先週、レビー小体型認知症(Dementia with Lewy bodies: DLB)の新たな診断基準・治療ガイドラインがNeurology誌より発表されました。 McKeith IG, et al. Diagnosis and management of dementia with Lewy bodies: Fourth consensus report of the DLB Consortium. Neurology. 2017 Jun 7. この改訂で、DLBの診断基準・治療ガイドラインは第3版となり、2005年に発表され、長らく用いられてきた第2版から、幾つか大きな変更が見られます。その変更の大きな特徴が、レム睡眠行動異常症の重要性が高まったことと、MIBG心筋シンチがDaT Scanと同レベルに格上げされたこと、臨床的な特徴とバイオマーカーとを分けて提示されるようになったこと、です。 そこで今回は、この論文を読み進めながら、DLBの臨床診断基準第2版と第3版の違いに焦点を当ててみていきたいと思います。 目次 中心的特徴:注意、遂行機能、視覚認知機能の障害を明示 中核的特徴:3大特徴にRBDが追加 支持的特徴:第2版の示唆的特徴と支持的特徴をまとめて整理 指標的バイオマーカー:DaT、MIBG、PSG 示唆的バイオマーカー:第2版の支持的特徴+CIS probable DLBとpossible DLB…

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