英会話学習に見る言語習得の過程

前回、私の英会話の勉強過程は、 1. 単語レベルでの聞き取り、復唱 2. 短文レベルでの聞き取り、復唱 3. パラグラフレベルでの聞き取り(、復唱) を繰り返し行ってきた、と言いました。これ、よく考えてみたら、神経心理学的に言えば、語レベル、短文レベルと難易度を上げながら、聴覚的理解、言語性short term memory(STM)、発話を鍛えて行った、という、言語能力の習得過程だなあと気づきました(英語は言語なので当たり前ですが)。 このうち、少し前まで、自分の聴覚的理解が良くなっていることが楽しかったですし、それが目的になっていましたが、最近になって一番面白いなと実感しているのは、文レベルの復唱ができるようになってきているということです。勉強開始当初は、real英会話の短文は、聞き取れても復唱が不可能、ということがかなりあったのですが(良く考えると、この状態、伝導失語みたいになっていますね。もちろん、まだ私は英語の能力を獲得したことはないので、失語ではないのですが。)、今は概ね復唱が可能になりました。さて、これは私の言語性STMが大きくなって、以前は短期記憶で保持できなかった量を保持できるようになっているということなのでしょうか? 目次 short term memoryとマジカルナンバー7±2 言語習得の過程で、塊と認識されるものが大きくなった? STMと伝導失語 関連記事 …

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英会話を学ぶならひたすら聞いて復唱しなさい-2016年国際学会編

前回(私の英会話"継続"のコツ4 step)は、ここ3,4か月、英会話の勉強を継続できたコツをまとめました。 やった事は非常に単純でしたが、まさに継続は力なり、という印象で大した事はしませんでしたし、お金もあまりかかりませんでした。 今回は、継続的になにをどのように勉強したのか、をまとめてみたいと思います。 目次 まず、英単語を聞く、復唱する! 定型文を聞く、復唱する! 学会発表に特化した英語を学ぶ! 自分の読み原稿のアクセントを調べ、繰り返し読む! ひたすら聞いて復唱しなさい 関連記事・参考文献 スポンサードリンク まず、英単語を聞く、復唱する! これは前回も書きましたが、私が最初にやったことの1つは、英単語のリスニングです。その理由は、単純なことで長続きさせるという意図もありましたが、単語レベルでリスニングに苦手意識があったので、文のリスニングよりまず単語のリスニング、と思っていたからです。あとは多少語彙力に不安もありましたが。 このための教材を選ぶ上で、私にとって重要だったことは、単語を発音してくれること、その単語のスペルを見なくても操作できること、でした。その2点をクリアしたアプリが、「英単語アプリ mikan」でした。 このアプリは、テストをスタートすると、画面上部にランダムに単語が表示されると同時に発音してくれ、画面下部の4択の中から正しい日本…

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私の英会話"継続"のコツ4step-2016年国際学会編

ここ最近、自分の英語の勉強法についてばかり投稿してきました。研究をするにあたって、英語で論文を投稿すること、国際学会で発表すること、海外の研究者と討論することはとても重要なことです。私自身は英語の論文を投稿すること、国際学会で発表することはある程度してきましたのに対し、海外の研究者と英語で満足に討論する、というレベルにはまだまだ達していません。 ただ、2016年末の国際学会での発表に当たって、3,4ヶ月程度ですが結構真面目に英会話の勉強をしてきた中で、これまでより少し英会話ができるようになった実感が出てきました。ほぼ毎日英会話の勉強をし続けた継続の結果だなぁと感じているのですが、その勉強継続のコツとして私が意識していたことを、4つのStepに分けてまとめたいと思います。 目次 Step1: 「ながら勉強」で時間を確保 Step2: 単純作業から習慣化する Step3: 継続のための3.5要素を用意する 3.5要素その1. ノルマ:短期的ノルマの重要性 3.5要素その2. 記録:視覚化による達成感の強化 3.5要素その3+0.5 (→成果)、仲間:達成感に対する保証 Step4: 2つのことを意識的に行う 関連記事 スポンサードリンク Step1: 「ながら勉強」で時間を確保 当たり前といえば当たり前なのですが、英語を勉強する時間を用意することが重要で…

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接頭辞・接尾辞・語の連結-医療英単語を100倍にしなさい。

少し前から巷で話題の医療英単語本を、類にもれず読んでみました。 この本の一貫したテーマは、医学生、医療者ならおそらく自然となんとなく理解している、医学的な接頭辞・接尾辞をできる限り多く覚え、それを連結する方法を知ることで、効率よく医療英単語を覚えよう、ということに尽きます。 『トシ、1週間であなたの医療英単語を100倍にしなさい。できなければ解雇よ。』posted with ヨメレバ田淵 アントニオ SCICUS 2009-06-25 AmazonKindle 例えば、「脳」を表す「encephal」に、「炎症」を表す接尾辞の「itis」をつなげることで、「脳炎:encepalitis」ができる、といったところです。 当たり前といえば当たり前ですが、なんとなく経験的に身につけていっているこのような知識を、意識的に覚えていけ、と、医療関係の英単語に特化して提示し続ける本は確かにあまり見かけなかったなと感じました。 もう一つ、この本の大きな特徴は、タイトルの通り、「1週間で」この本を一通り読ませるための構成を取っていることです。全部で7つの章で構成されていて、1日1章、7日間で読む、という構成です。 各章の冒頭と最後が小説形式になっていて、全体的に堅苦しくなく、気楽に読めるのが良いですね。トシという日本人研究者が、海外のラボで、美人な同僚のソフィアに手取り足取り医療英単語の構造を解…

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speakingのための定型文がlisteningに活きる-国際学会English

久しぶりの投稿になります。先日、国際学会での発表があり、それに向けて忙しくしていました。発表に向けてスライドの準備や英語の勉強をしたりと、バタバタしましたが、発表も無事に終わり、ようやくひと段落です。 英語、特にリスニングの勉強のためにこの数カ月いろいろとやってきました。iPhoneアプリを使ったり、国際ジャーナルのWEBサイトで公開されている音源を手に入れたり。 少しずつリスニングの力がついてきたなぁと思ったところで気になったのが、スピーキングの能力です。発音もそうなのですが、英語でのプレゼンテーションとして自然な英語になっているか、ちょっとした時にさっと自然な英語が出るか、といったところです。 おきまりの定型文を覚えていくのが良いのでしょうが、日常会話のような定型文を覚えていって、それを発表に応用していくには、発表までの時間がなかったので、もっと効率よく、学会発表に向けて、定型文を覚えられないかなと思い、手にしたのがこの本でした。 国際学会English挨拶・口演・発表・質問・座長進行posted with ヨメレバC.S.Langham 医歯薬出版 2007-04-01 AmazonKindle楽天ブックス楽天kobo この本自体を購入したのは、2年前に国際学会で発表した時なのですが、今回読み返してみて、非常に良い本だと今更ながらに気がつきました。 まず、なんといってもこの本の特徴は、国…

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