Excelで回帰直線つき散布図を作る

相関解析の結果などを視覚的にわかりやすく提示する際に、散布図だけでなく、回帰直線を添えたいと思うことは多いかと思います。今回はエクセルで回帰直線つき散布図を作る方法です。 目標はこんな図を作ることです。 目次 散布図の作成 軸ラベルの追加 回帰直線の追加 良いプレゼンにはわかりやすい図がある 関連記事・参考文献 スポンサーリンク 散布図の作成 まずは散布図を作りましょう。データは例のごとく、相関解析の例に使っている私のiPhoneによる歩行データです。今回は1か月分のデータを利用します。 1-1.散布図を作りたいデータをマウスでドラッグして選択 1-2.ツールバーの「グラフ」タブから「散布図」をクリック。 1-3.凡例は不要なので削除、グラフタイトルを適宜設定します。 これでひとまず散布図ができましたが、縦軸と横軸が何を表しているかがわかりません。なので次は軸ラベルを挿入します。 軸ラベルの追加 2-1.できたグラフを選択すると、ツールバーに「グラフ レイアウト」が現れるのでクリックし、メニューの「軸ラベル」をクリック。 2-2.横軸ラベル、縦軸ラベルでそれぞれ表示したいラベルを選択し、軸ラベルフィールドを追加。(縦軸ラベルは軸ラベルを回転がオススメ) 2-3.軸ラベルを選択した状態で、数式バーで「=」を入力した後、その軸ラベルに表示したいタイトルが記…

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(英語)学習継続支援アプリ・Studyplus

国際学会に向けて、9月末頃から、リスニングを中心に英語の勉強を続けています。iPhoneアプリを使って勉強しているのですが、1か月半を過ぎ、順調に継続できています。 その中で、勉強そのものに使うわけではないですが、勉強継続に役立っているのが、Studyplusというアプリです。 Studyplus 勉強を習慣化 無料アプリ スタディプラス 開発元:Studyplus Inc. 無料 posted with アプリーチ このアプリの機能は大きく分けて3つです。 1.ノルマを設定する 2.勉強を記録する 3.同じように勉強している人とインタラクションする ノルマを設定する このアプリでは、まず1週間の目標を設定します。例えば、週に10時間勉強する、とか、週に1000問問題…

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国際学会でのspeaking、listening対策–PubMedと英文読み上げアプリの活用

国際学会で発表するにあたり、自分のプレゼンテーションにおける英語の発音が正しいか気になることがあります。また、自分のプレゼンに対する質疑の際に、質問者の英語がなかなか聞き取れないことがあります。このように自分の英語プレゼンテーションに関連したspeaking、listeningを強化したい、という方は非常に多いと思います。 今回は英文読み上げアプリを用いて、 1.自分の英語プレゼン原稿をひたすらリスニングする 2.関連分野の論文Abstractをひたすらリスニングする ことで、自分の英語プレゼンテーションに関連したspeaking、listeningの強化を考えてみようと思います。 英文読み上げアプリ iSpeech iSpeech Text To Speech 開発元:iSpeech, Inc. 無料 posted with アプリーチ …

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New England Journal of Medicineのマルチメディア–論文、ビデオだけじゃない!

以前、The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE(NEJM)では医学教育ビデオがWeb上で公開されていることを述べましたが、NEJMで公開されているものは論文とビデオだけではありません。様々なmultimedia教材が公開されています。 Audio Summary 英語リスニングの教材として非常に汎用性が高いのが、Audio Summaryです。なんとこのAudio Summary、NEJMに掲載されている注目すべき論文のサマリーの音源になっています。以前紹介したビデオ同様、非常に聞き取りやすく、医学英語のリスニング教材としてはうってつけの音源になっています。 しかもこの音源、ストリーミングだけでなく、MP3ファイルとしてダウンロードもできるので、MP3プレイヤーに入れて聞くこともできます。 各音源の冒頭の内容紹介についてのみ、WEB上で文字にも起こされていますので、どんな内容の音源なのかも一目でわかります。 Images in clinical medicine もう一つ面白いなぁと思ったのが、臨床現場で遭遇する症例の特長的な画像をピックアップし、その症例についての短い紹介が添えられているImages in clinical medicineという症例報告集です。短い症例提示と特長的な画像だけなので、読みやすいですし、勉強にもなります。 さらにここから発展して、Image challengeという企画も存在します。これも特長的な症例の…

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統計メモ メニュー

エクセルで統計処理 出先でエクセルで簡単な統計解析を行う–記述統計量、t検定、相関係数 相関係数の有意差の有無を知る–相関係数検定表 多重比較を考える 多重比較-なんのため、どんな時に行う? 多群間比較での多重比較-One-way ANOVA後のpost-hoc test 複数の相関を調べた時の多重比較-BonferroniとFDR 【お遊び】多群間比較の多重比較にBonferroni法やFDR法を用いてみる 多変量解析 因子分析の抽出法・回転法 心理検査を考える 検査の信頼性の評価 高校数学で語る統計 高校数学で語るp値(前編) 高校数学で語るp値(後編) その他 統計解析結果の論文での書き方(ガイドライン) わかりやすい医学統計の報告-医学論文作成のためのガイドラインposted with ヨメレバ大橋靖雄 中山書店 2011-08-19 AmazonKindle楽天ブックス楽天kobo 少し統計に関するメモが増えてきたので、私自身の検索効率向上のためにメニューを作成しました。統計について身につけるためには、教科書的な勉強の他に、実際に知りたい検定を行っている論文を読んでみること、試しに自分の手持ちのデータでやってみること、が大切だと思っています。そのようなメモを続けられたらと思っています。

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【お遊び】多群間比較の多重比較にBonferroni法やFDR法を用いてみる

今回は興味本位にやってみた実験です。 前回(複数の相関を調べた時の多重比較-Bonferroni法とFDR法)、Bonferroni法はαエラーを少なくするために非常に保守的なため、統計的有意差が出なかった場合に、「帰無仮説は棄却されない」ではなく、「帰無仮説の棄却は保留」と考えるべき、と記述しました。では、FDR法とBonferroni法では、どれくらいの差があるのでしょうか。 そのために、前々回(多群間比較での多重比較-One-way ANOVA後のpost-hoc test)行った多群間比較での多重比較をBonferroni法とFDR法で行ってみて、Tukey-Kramer法での多重比較と結果がどう違うかを見てみたいと思います。 目次 前々回のデータのおさらい:ANOVAからpost-hoc test t検定の繰り返しの結果をBonferroni法、FDR法で補正 多く使われている方法を使いましょう 関連記事 スポンサードリンク 前々回のデータのおさらい:ANOVAからpost-hoc test 前々回、各曜日での歩数の違いを7群間で比較するのに、1.One-way ANOVAで7群の間に違いがあることを調べてからpost-hocとしてTukey-Kramer法で多重比較、2.7C2=21組のペアの違いをt検定を21回繰り返し検定、という2つの方法を行って比べま…

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複数の相関を調べた時の多重比較-BonferroniとFDR

前回(多群間比較での多重比較-One-way ANOVA後のpost-hoc test)は多群間比較の際の多重比較を確認しました。一方で、多重比較は前々回(多重比較-なんのため、どんな時に行う?-)も述べたように、ANOVA後のpost-hoc以外の場面でも、複数の検定を行った場合に常に意識しなければならないものでした。例えば、「複数の変数の相関を調べる」という場面があり、前々回紹介した論文には「161個もの相関係数を調べたため多重比較した」というものもありました。 このような場面では、t値やF値を利用せず、p値をそのまま利用して多重比較を調整するBonferroni法、False Discovery Rate(FDR)法が利用しやすく、よく用いられています。 比較的簡単に運用できる多重比較なのですが、欠点もあることを認識しておく必要があります。実例を見ながら両者の特徴を見てみましょう。 目次 ごく単純にできるBonferroni法 少しの工夫でできるFDR法 7つの相関係数を調べる 実例:Bonferroni法による多重比較 実例:FDR法による多重比較 Bonferroni法とFDR法、どちらを用いる? 関連記事・参考文献 スポンサーリンク ごく単純にできるBonferroni法 Bonferroni法はごく単純で、検定数がNだった場合、有意水準…

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多群間比較での多重比較-One-way ANOVA後のpost-hoc test

前回(多重比較-なんのため、どんな時に行う?)の続き。 複数の検定を行う際には、FWE rateが上昇するため、多重比較を行う必要がありました。最も典型的なパターンが、3群以上の群間比較を行う場面です。 例えば、AとBとCの3群について、全ての2群の組合せで群間比較を行った場合、A vs B、B vs C、C vs Aという3回の統計を行うことになるため、仮に3群に有意差がなくてもこの3つの統計のうち少なくとも1つのp値が0.05となってしまう確率は、 3回検定を行い、少なくとも1つが偶然p=0.05となる確率1-(1-0.05)3=0.14 と14%程度の確率で起こってしまうことになっていました。これを正しく有意水準0.05で抽出するために、多重比較を行う必要がありました。 今回は、このような多群比較を行う際によく用いられる、 One-way ANOVA後のpost-hoc testを行う によって、多群における2群間比較を全てStudentのt検定で行った場合とどう結果が変わるかを見たいと思います。 目次 7群の多重比較をする–ANOVAからpost-hocへ 21個の検定を個別にStudentのt検定で行うと 注意 関連記事・参考文献 スポンサーリンク 7群の多重比較をする–ANOVAからpost-hocへ 以前の相関係数につい…

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多重比較-なんのため、どんな時に行う?-

扱うデータが膨大になり、多重比較補正が統計解析の嗜みとして当たり前になっています。 その反面、なぜ多重比較補正をしなければならないのかがよくわかっていない、という院生が多いように感じます。 今回はなぜ多重比較補正をするのかを簡単にまとめつつ、実際に多重比較補正を行なっている論文の例を挙げていきます。 目次 familywise errorとは 多重比較を行う場面 各種の多重比較補正を行なっている論文の例 年々多重比較補正を行っている論文数は増加 関連記事 スポンサーリンク familywise errorとは 統計を行う上で、多重比較の問題を扱う必要があることがあります。例えば、有意水準をα=0.05に設定し、3つの検定を行ったとして、帰無仮説を仮定した上で、その3つの検定のうち少なくとも1つのp値が0.05となる可能性は、 3回検定を行い、少なくとも1つが偶然p=0.05となる確率1-(1-0.05)3=0.14 と、実際に差がなくても14%の確率で起こるわけです。このように、検定を繰り返した結果、全体として何らかの帰無仮説を棄却する結果が出てαエラーが増大することをfamilywise error(FWE)と言います。 最近の研究では、その評価項目は多岐にわたるため、10以上の項目について検定を行い、p値を求めていることは非常に多いため、F…

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